「院生セッションの運営」について

制定 平成十四年九月十一日

 

 全国大会の運営上、第六十回全国大会から「院生セッション」部門の設置が認められた。しかし、それについての明確な運営ルールが設けられていないため、大会開催に当たって、運営についての幾つかの疑問が提起されている。そのような実情を顧慮して、以下、「『院生セッションの運営』について」を設け、それについて暫定的な運営取扱指針を明らかにしようとするものである。

 

I 設定の経緯

 全国大会において院生会員を中心とした研究発表の場(以下「院生セッション」という。)を設けることについて、理事会等で賛同を得て、第六十回全国大会からそれを設けることとした。実験的に試行した関係上、特に固まったルールで実施されたわけではなく、大学院生であって、既に会員である者は、本人の申し出により、院生セッションで発表することができるという程度の募集要項であった。

 しかし、平成十四年度から修士課程在籍中の学生であって、四月から博士課程後期課程へ進学することが予定されている者から申し出がある可能性があり、その取扱い等を含め、大会準備校として今後これに対してどのように対処すべきであるのか等につて、必ずしも明確でないことがあるため、その取扱いの継続性をも考慮して、本文書「『院生セッションの運営』について」を設けることとした。

 

II 「院生セッション」設定の趣旨

 第一に、院生セッションを設けることにより、院生が学会において研究を発表できる機会が準備されたことで、研究への取り組みが積極的になり、自己啓発の道につながる可能性が期待できる。

 第二に、学会での研究発表を通じて、会員の評価を直接受けることができることで、大学院における院生全体の研究活動が活性化する可能性があることが挙げられよう。

 第三に、学会における院生の発表論文や発表態度を通じての評価が、学界人として大学への就職の道につながる可能性があることもある。

 第四に、優れていると評価された研究は、機関誌「会計プログレス」の投稿規定に従い掲載の機会が与えられることもある。

 

III 大会準備校側の決定事項

@ 全国大会開催に当たっては、院生会員を中心とした研究発表の場を「院生セッション」として設けることができる。

A 「院生セッション」は、原則として、会員の「自由論題」の発表と並行して別会場を設けることとする。

B 「院生セッション」の会場数および一会場の発表者数等については、大会準備校の都合を十分に考慮して、大会準備校側で自主的に決定できるものとする。

 

IV 発表資格者

 「院生セッション」での発表資格者は、本セッションの設けられた趣旨に鑑み、次の者とする。

@ 院生会員としての資格を有する者

A 会員としての資格要件をそれぞれにおいて充足している者であって、その年の四月末日までに資格申請手続をとっている会員予定者

B 大学院博士課程に在籍する会員であって、特に院生セッションで発表を希望する者

 発表資格要件を充足し、発表を希望する者は、発表予定テーマ、その概要書および当該大学院における本学会員の推薦書を添えて、当番校へ申し込まなければならない。会員の推薦書は、特定の形式を予定していない。

 

V 院生会員の指導を担当する会員

 院生会員としての形式要件さえ満たしていれば「院生セッション」での発表ができるということではなく、院生会員の指導を担当する会員は発表希望者の研究が学会での発表に適するだけの内容を備えているかどうかについて十分な評価を行った上で、推薦しなければならない。