故 平松一夫先生への弔辞(2021.3.3)

[弔辞]

日本会計研究学会の元会長(2009~2012年)である平松一夫先生が、2020年12月2日にご逝去されました。

平松一夫先生は、1986年度本学会の太田賞を受賞した『年次報告書会計』(中央経済社刊)をはじめ、国際会計分野を中心とした多くの優れた著書・論文を公表されました。また、本学会の特別委員会・委員長を務められ、2度の統一論題報告もされています。

また、理事・国際交流委員長(2006~2009年)として本学会の国際化にご尽力いただき、2009年に第12代会長になられてからは、KAA(韓国会計学会)及びTAA(台湾会計学会)と交流協定を結び、ご自身でも、韓国と台湾で毎年開催される各学会の年次大会のほぼすべてに参加されました。

本学会以外でも、IAAER(国際会計教育研究学会)会長、AAA(アメリカ会計学会)副会長等の要職に就かれ、多数の国際的な学術賞をも受賞されました。

さらに、日本の会計制度改革や会計監査規制にも取り組まれ、企業会計基準委員会委員、企業会計審議会会長、公認会計士監査審査会委員等を歴任され、IFRSを巡る激動の時期に、日本の会計制度改革をリードし、会計学者が制度・政策に寄与できることを体現されました。

以上、平松一夫先生は、本学会への学術的貢献をはじめ、世界における本学会のプレゼンスの向上、及び社会貢献による会計学者の存在価値の向上など、数々の功績を残されました。ここに謹んで本学会へのご貢献に感謝するとともに、心より哀悼の意を表します。

                                                                      日本会計研究学会会長 徳賀芳弘