日本会計研究学会第72回大会 大会テーマ:会計イノベーションの探求

2013年9月4日〜9月6日

準備委員長挨拶

日本会計研究学会第72回大会準備委員会 委員長 澤村 隆秀

会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、このたび、私ども中部大学におきまして、日本会計研究学会第72回大会を開催することになりました。42年ぶりに中部地区において開催されます全国大会を本学でお引き受けできましたことを大変光栄に存じております。

中部大学は1962年に中部工業短期大学として開学して以来、1964年に中部工業大学、1984年に中部大学へと名称変更し、現在では7学部29学科、6研究科15専攻を擁する総合大学として発展してまいりました。2011年には、経営情報学部に会計分野を中心に学ぶ経営会計学科を開設し、来年2014年には大学創立50周年を迎えようとしています。

世界的な規模で経済・社会が激変する現代において、学問が果たすべき役割や課題を再検討するためには、会計を原点からみつめ直し、新しい時代に適合する会計を構築する必要があると考えられます。そこで第72回大会は「会計イノベーションの探求」を統一論題のテーマとし、3つの統一論題会場を設けることといたしました。統一論題では、会計学を社会科学としてさらに深めるとともに、グローバル化、学際化、多様化の観点からイノベーションを探り、闊達な意見交換が行われることを祈念しています。

本大会では、国際会計士連盟(IFAC)に設置されている国際会計教育基準審議会(IAESB)のPeter Wolnizer議長に特別講演をお願いすることにいたしました。企業活動のグローバル化に伴い、世界の会計人の質は高い水準で均質であることが求められています。そのためにIAESBは現在、国際教育基準 (IES) の改訂に取り組んでいます。IFACの加盟団体である日本公認会計士協会はIESを遵守する義務を負っています。大学もまたIESに準拠したカリキュラムを提供することが求められます。Wolnizer氏の講演は会計教育に携わる我々に有益な示唆を与えてくれるものと期待しています。

また42年ぶりの中部地区での全国大会開催にあたり、地域の特色ある研究を取り上げるべく、中部セッションを設けました。キャッシュフロー会計および資金会計研究を中心に報告と討論が展開されます。

さらにIFRSを取り巻く現状を考え、将来を展望するIFRSセッション、例年開催されている韓国、台湾との交流を目的とした国際セッション、自由論題では英語セッション等も設置いたします。

本大会のプログラム作成については、日本会計研究学会の全国大会としては初めて設置を承認していただいたプログラム委員会のご協力をいただいております。学会経験の乏しい準備委員会のメンバーだけでは、全国大会をお引き受けすることはとてもできませんでした。プログラム委員の先生方には何度も会合を重ねていただき、プログラムの全体構想から自由論題の司会者の選定に至るまで、熱心に取り組んでいただきました。プログラム委員会の設置をお認めいただいた学会理事会に改めて感謝いたしますとともに、平松一夫委員長をはじめプログラム委員の先生方に心より御礼を申し上げます。

本大会の各報告につきましては、日本公認会計士協会継続的専門研修制度のCPE専門研修として、承認される予定です。多数の皆様のご参加をお待ち申し上げます。

最後に、第72回大会の開催にあたり、多大なるご支援とご協力をいただいた関係各位に厚くお礼申し上げます。9月に名古屋で会員の皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。